2026/08/11

2026年 第4戦 富士スピードウェイ(静岡県)

5月のゴールデンウイーク恒例の一戦となる第2戦富士大会を終え、約3カ月のインターバルを経て、ANEST IWATA GAINER Racingは8月1〜2日に富士スピードウェイで開催された「2026 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT 300km RACE 夏休みスペシャル」へと歩みを進めた。
前回、同地で開催された3時間レースでは、コースコンディションにマシンセットアップが上手く合致したことが奏功。RZ34 フェアレディZ投入後初となる予選Q1突破を果たし、決勝でも一時はポイント圏内を力強く走行するなど、確かな進化を示した。しかし、レース終盤の残り約1時間という場面で、走行中にシフトのアップダウンが正常に行えないというトラブルが発生。戦えるだけのポテンシャルを持ちながらも、その力を最後まで発揮することは叶わず、悔しさの残る一戦となった。
だからこそ迎えた今回の300kmレースは、チームにとって雪辱を果たす絶好の機会。前大会で得られたデータと手応えをもとに細部まで準備を重ね、また、マシンのアップデートによりANEST IWATA GAINER Racingはチーム一丸となって再び富士の舞台へ挑んだ。
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夏休み期間中の開催となった今大会は、多くの家族連れが富士スピードウェイを訪れ、サーキットは大勢のファンで賑わった。予選日は真夏の日差しが照りつける厳しい暑さとなり、気温31度、路面温度44度というコンディションのなか公式練習がスタート。26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、まずマシンの状態を確認しながら走行を開始した。ドライバー交代を行いながら周回を重ねるなかで、レースペース自体は悪くないものの、持ち込んだセットアップが路面コンディションと噛み合わず、あと一歩詰め切れない状況が明らかとなる。前戦の富士大会では予選Q2進出を果たした一方、今回は予選で求められる一発の速さに課題を抱えていた。
なんとかこの現状を打開すべく、チームはセッション中も細かなミーティングを重ねながらセットアップの変更を実施。車体バランスの改善に取り組み、安田は13周を走行して1分39秒452、ジョンウは17周で1分39秒981をマークした。公式練習は23番手で終えたものの、予選や決勝はもちろん、次戦鈴鹿も見据えたデータ収集を進めるなど、チームにとっては収穫の多いセッションとなった。松浦佑亮監督は「前回の富士では予選で満足のいくパフォーマンスを発揮できた一方、決勝はタイヤの問題もあり、うまくレースを組み立てられませんでした。今回はその状況が逆転してしまい、現時点では予選で一発のタイムを出すことに少し不安があるような状況ですね」とコメント。それでも公式練習で得たデータをもとにセットアップを見直し、予選へ臨んだ。

公式予選

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その後、ピットウォークが行われた後、14時20分から公式予選が開始された。午後になると日差しはさらに強まり、気温、路面温度ともに上昇する過酷なコンディションのなか、一発の速さが求められるアタック合戦が繰り広げられた。Q1 A組に出走した26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、Q2進出を目標にアタックへ挑む。安田は慎重にタイヤへ熱を入れ、4周目に1分38秒752を記録。続く連続アタックでは自己ベストを0.234秒更新したものの、Q2進出ラインより上に上げることができず、Q1敗退が決まった。
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この結果に、松浦監督も「想定以上に苦戦してしまいました」と肩を落とすほど。前大会の富士ではQ2進出を果たしていただけに、チームにとっても悔しさの残る結果となった。一方で、予選では車体バランスの改善も見られ、決勝に向けた手応えも得られたことから、その収穫を糧に300kmレースへの準備を進めた。

決勝

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迎えた決勝日は朝から青空が広がり、好天に恵まれた。しかし、スタート進行中には予報どおり雨雲がコース上空を覆い、大粒の雨が降り始める。路面は一気にウエットコンディションへと変化し、各チームは難しいタイヤ選択を迫られた。26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、降雨は一時的で路面は回復すると判断し、スリックタイヤを選択。その読みどおり、スタート直前には雨が止み、再び日差しがコースを照らし始めた。ただ、安全を考慮してレースはセーフティカー(SC)先導で幕を開けることとなる。スタートドライバーを務めたジョンウは、ゆっくりとグリッドを離れてスタートに向けてタイヤを温めていく。5周目にSCが離れ、いよいよレースがスタートしたものの、その直後にGT500クラスの車両がホームストレートで大クラッシュを喫し、レースは早々に赤旗中断となった。
約30分後、6周目から再びSC先導でレースが再開され、10周目にようやく本格的なレースがスタート。慌ただしい幕開けとなった300kmレースは、ここから本当の戦いが始まった。25番手からスタートを切ったジョンウは、後方集団で激しいポジション争いを繰り広げる。スーパーGT参戦初年度ということもあり、密集した集団のなかでの駆け引きには苦戦を強いられたが、ラップタイムそのものは決して悪くなかった。8周目にひとつポジションを上げたものの、11周目には26番手まで後退。それでも改善が見られたレースペースを武器に、粘り強く前を追い続けた。しかし、さらにこの状況を打開すべく、無線でコミュニケーションを取りながら、早めのピットインを決断。24周目にピットへと戻ると、タイヤ交換や給油などの作業はスムーズに進んだものの、ドライバー交代時に無線ケーブルがシートベルトへ引っ掛かるアクシデントが発生し、タイムロスを喫してしまう。これにより最後尾までポジションを落とす苦しい展開となった。
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それでもステアリングを引き継いだ安田は、改善されたレースペースを武器に次々とオーバーテイクを披露。44周目には25番手、51周目には22番手までポジションを回復するなど、セットアップ変更の成果を感じさせる力強い走りを見せた。しかし、さらなる追い上げを狙っていた矢先にアクシデントが発生。ピットアウトから約30周を走行していたのにも関わらず、左フロントタイヤのナットが緩み、タイヤが脱落しかけるトラブルに見舞われた。安田はマシンへのダメージを最小限に抑えるため慎重に走行を続け、無事にピットへ帰還。しかし、この影響で最後尾まで順位を落とし、さらにブレーキにもダメージが確認されたため、チームはやむを得なくリタイアを決断せざるを得なかった。
前戦の悔しさを晴らすべく、ウイークを通してセットアップの改善に取り組み、決勝ではその成果も見え始めていただけに、10周遅れの52週でレースを終わるという結果は悔しさの残るものとなった。それでも、公式練習から決勝にかけて大きく改善したレースペースや戦闘力は、次戦鈴鹿に向けても確かな収穫でもある。そして3週間後には次なる大会が待ち受けているため、ここで歩みを止めるには行かない。次戦第5戦鈴鹿は、8月22日〜23日に鈴鹿サーキットを舞台に開催される予定だ。ANEST IWATA GAINER Racingはこの悔しさを力に変え、巻き返しを図るべく、再び準備を進めていく。

■正式結果

公式予選:クラス25位(参加29台)
Q1:1分38秒518(安田)
Q2:出走なし(ジョンウ)
決勝:クラス29位(出走29台)、52周(10周遅れ)

コメント

安田裕信
「前回の富士は決勝ではトラブルが出てしまいましたが、予選Q1では調子もよかったので、今回はそれ以上の結果を望んで、クルマをアップデートして持ち込んできました。ですが、なかなか車体バランスをいい方向に持っていけず、予選ではセットアップで補って改善は見られましたが、ライバルとの差をうまく詰めきれませんでした。決勝でもクルマのセットアップの方向性をエンジニアとミーティングを重ねたことで良くなりましたし、前回の富士よりはとてもレースペースが良く、とてもポジティブな状態です。自分のスティントでは、最下位から追い上げることもできました。トラブルはとても残念でしたが、鈴鹿に向けてはとてもポジティブなデータが取れたので、次戦こそは予選Q1をしっかりと突破していいレースができるように準備をしていきたいです」
リ・ジョンウ
「公式練習からの安田さんにセットアップをしてもらい、いざ乗ってみると、前回の富士とは大きく異なるクルマになっているなという印象でした。すぐに慣れることはできましたが、やはり今回はライバルの伸びしろについていけなかったと言うのが正直なところです。決勝でもスタート自体は悪くありませんでしたが、集団のなかでのペースの上げ方やバトルが難しく、集団に飲み込まれてしまいました。安田さんにいい順位でバトンタッチができなかったので、本当に申し訳なく思っています。自分自身のこれからの課題ですね。ドライバー交代の時も無線がベルトに引っかかってタイムロスをしてしまったので、ここは今後に向けても確認が必要です。ですが、今回はいろいろデータも収集でき、決勝でのセットアップでも良い兆しが見えたので、次戦の鈴鹿に向けてもとてもポジティブです。今回はとても悔しい結果となりましたが、次のレースではしっかりと立て直して頑張っていきます」
松浦佑亮監督
「決勝ではスリックタイヤでスタートできたことは良かったですし、初日からすると、決勝に向けたセッティングの変更が、いい方向に向かったことで、途中までいいレースもできました。ですが、もう少しうまく組み合わせられれば、もう少し良いレースができたかなと反省点もあります。終盤にトラブルが起こったあとも、チェッカーまで走りたいという思いはありましたが、走行を継続できない状態でやむを得なくリタイアと言う結果になってしまったのは、とても残念です。週末を通して今年の中ではベースのセットアップも一番いいところまで行けましたが、上位に比べると、まだペース不足は否めないので、エンジニアとミーティングをしっかりとして、次戦鈴鹿に挑みたいです。チームとして何ができるかをしっかりと考えて、準備をしていきます」