2026/04/16

2026年第1戦 岡山国際サーキット(岡山県)

4月11日(土)〜12日(日)、岡山国際サーキットにて「2026 AUTOBACS SUPER GT Round.1 OKAYAMA GT300KM RACE」が開催され、新シーズンがスタートした。コンプレッサや真空機器などさまざまな産業機器を手がけるグローバルメーカーのアネスト岩田は、2023年からスーパーGTに参入。参戦3年目となる2026年シーズンは、GAINERとの連携をさらに強化させ、チーム名を新たに「ANEST IWATA GAINER Racing」として挑む。車両もレクサスRC F GT3からRZ34 フェアレディZにスイッチし、ヨコハマタイヤのパッケージで参戦する。ドライバーには2年目となる安田裕信に加え、韓国人ドライバーのリ・ジョンウが新加入し、引き続き松浦佑亮監督のもと1年間を戦う。

 

 

3月には2度の事前テストを経て臨んだ開幕戦。迎えた11日(土)の予選日は朝から青空が広がる好天に恵まれた。公式練習は気温18度/路面温度24度と、公式テスト時を上回るコンディションでスタートし、終盤には路温が29度まで上昇するなど対応の難しいコンディションでの走行となった。このセッションの大半はルーキーのジョンウがドライブし、決勝を見据えた経験値の蓄積を目的に25周を重ねた。終了後には「初めてのことも多く、最初はいろいろやり方を変えて、あまり決め打ちせずにセットアップを変更し、試行錯誤をしながら模索していました。クルマの特性もさらに理解できましたし、いいセッションになりました」と振り返った。

 

序盤と終盤には安田が乗り込み、予選および決勝に向けて調整を行ったセッションとなった。想定以上の気温上昇を受けてタイヤのマッチングに苦戦するチームが多いなか、26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は持ち込みタイヤ自体のフィーリングは良好。しかし、メインタイヤ装着時には期待していたパフォーマンスを引き出しきれず、ベストタイムは1分27秒752にとどまり、結果は26番手と後方に沈む結果となった。それでも松浦監督は「午前の公式練習は非常にトリッキーなコンディションで、難しい状況でした。そこは割り切って、クルマのセットアップも大きく変更せずに予選に挑みます」と冷静かつ前向きにコメント。ANEST IWATA GAINER Racingは流れを切り替え、予選へと挑んだ。

公式予選

ピットウォークを経て午後2時に公式予選がスタート。Q1・A組に出走した26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、安田がステアリングを握った。入念にタイヤを温めて4周目からアタックを開始させると、3周連続でアタックを遂行。5周目に1分26秒659の自己ベストをマークする。しかしながら11番手から順位を上げることができず、結果は11番手。Q2進出を逃し、ジョンウにバトンを繋ぐことはできなかった。Q1を担当した安田は「午前は本当に厳しい状況でしたが、予選ではしっかりとアタックできましたし、自分たちの力を100%引き出せたと思います。ここからさらに上り調子になるように決勝に向けて準備をしていきたいです」と前向きに振り返った。

 

ピットで安田のアタックを見守ったジョンウは、「僕は予選での出番はありませんでしたが、安田さんの走りと予選までのセットアップの詰め方を見ていてとても勉強になりました」と語り、自身初となるスーパーGT公式予選デビューは果たせなかったものの、収穫の多いものとなった様子。

 

決勝は21番グリッドと後方からのスタートとなるも、予選には確かな収穫もあった。スーパーGTの予選は毎戦タイムが拮抗し、非常に熾烈なアタック合戦が繰り広げられるが、今回の予選ではライバル勢や同じヨコハマタイヤユーザーとの差を着実に縮めつつある手応えを得た。さらに、事前テストで行ったロングランでは、タイヤ摩耗によるタイムドロップが比較的小さいことも確認済み。決勝に向けては十分に戦えるポテンシャルを有している。これらのポジティブな要素を武器に、26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は後方グリッドからの巻き返しを期し、決勝へ向けた最終準備を進めた。

 

 

決勝

迎えた決勝日、前日同様に朝から快晴に恵まれた。11時50分から20分間のウォームアップ走行を経たのち、13時20分についに決勝レースの開始時刻を迎えた。気温24度/路面温度39度と公式予選時を上回るコンディションの下でレースの幕が開けた。26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、スーパーGTで一年を戦う上での経験値を増やすべく、ジョンウにスタートドライバーを任せた。一斉にスタートが切られると、ジョンウはスーパーGTでは初めてのスタートだったものの、鋭い蹴り出しを見せて順位をキープ。最終セクターでは集団の中でバトルを展開する。車両の位置取りがうまくいかず、数台に先行を許し25番手まで順位を下げてしまう。

 

しかしながらライバルのペナルティなどもあり、5周目に24番手へと順位を上げると、好ペースを活かしてさらなるポジションアップを狙う。決勝でのペースが良さを発揮する26号車「ANEST IWATA GAINER Z」に対して、前を走る360号車RUNUP × SOL GT-Rはペースが上がらず、いわゆる“蓋をされる”形となり、思うようにオーバーテイクへ持ち込めない展開が続く。それでも中盤に差しかかる頃、隙を突いてオーバーテイクを成功させた。その後、ピット作業を終えた上位争いの車両が背後から迫るなかでも、粘り強いディフェンスでポジションをキープ。しかし、ペース差のある車両との攻防を考慮し、戦略的判断のもと先行を許す前にピットインを選択することに。

 

36周目にピットへ戻ると、ジョンウから安田へドライバー交代。ミスのないスムーズな作業で送り出し、レース後半戦へとバトンを繋いだ。コースに復帰した26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は、フレッシュタイヤではややペースが伸び悩むも、周回を重ねて熱が伝わり始めるとペースが改善。上位勢とのライバルとも見劣りしないペースを発揮する。安田はそのパフォーマンスを活かし、じわじわと前方車両とのギャップを縮めていく。54周目に1台を捉えると、さらにその後もオーバーテイクを披露して21番手に浮上し、力強い走りを披露した。

 

レースは終始SC(セーフティカー)や赤旗中断を挟むことなく、クリーンなな状態で終盤を迎え、26号車「ANEST IWATA GAINER Z」は75周を走り切って21位でチェッカーを受けた。今季からRZ34 フェアレディZを投入し、新体制で挑んだ初戦となったが、決勝ではユーズドタイヤにおいて安定したペースを発揮。スティントを通して急激なパフォーマンスの落ち込みは見られず、ロングランにおける競争力の高さを示した。今回は予選でのQ2進出、決勝でのポイント獲得には届かなかったものの、新体制・新パッケージにおける確かな手応えを得た一戦となった。ANEST IWATA GAINER Racingは、この経験とデータを糧に、次戦でのさらなるパフォーマンス向上と上位進出を目指し、一丸となって準備を進めていく。

 

シリーズ第2戦は5月3日(日)~4日(月)、富士スピードウェイで開催予定だ。

■正式結果

公式予選:クラス21位(参加29台)

Q1:1分26秒659(安田)

決勝:クラス2位(出走29台)、75周(2周遅れ)

コメント

安田裕信

公式練習では最下位に近い順位だったこともあり、予選に向けて少しナーバスな状態でしたが、昨年優勝を経験している車両や同じタイヤユーザーに比べても差は少しずつ縮まってきているので、プラスな要素でした。決勝は後半スティントを担当し、走り出すといいペースで走ることができました。争っていたライバルよりも速さも実感しました。色々と見えてくる部分も多く、僕たちとしてはとても収穫が多かったですが、予選の結果が決勝の順位にも響いていると思っているので、次戦以降は予選でのパフォーマンスを発揮できるように、なんとか車両を仕上げていきたいですね。1年を通して今回のように走り切って経験を積み上げることができれば、必ず成果がついてくると思っているので、次戦以降を見据えて準備をしていきます。

 

リ・ジョンウ

僕はスーパーGTへの参戦が初めてで、子供の頃から見ていた世界に入り込めたのは嬉しいですね。土曜日の公式練習からとても進歩があり決勝に向けていいセッションになりました。決勝ではスタートドライバーということで緊張半分、楽しみ半分でしたが、スタートで数台に抜かれてしまったのは反省点です。日本のサーキットでこれだけ真剣なレースは初めてですし、特に岡山国際サーキットはそこまで走ったことがなかったので、良い経験になりました。終盤にはオーバーテイクもでき、良いペースで繋げることが出来たのは自信に繋がりました。安田さんとふたりでクルマのいいところをさらに絞り出すことができれば、次戦の富士大会では良いポジションを狙えると思います。チームと一緒に少しずつ着実に経験を積み上げて、良い結果を結果出せるように頑張ります。

 

松浦佑亮監督

僕たちは冬頃までにダンロップタイヤで走行をしていましたが、事前テストからヨコハマタイヤにスイッチしたところ、思ったよりも車体の前後バランスが変化しました。今回は新アイテムの投入でポジティブな方向性が見えたなかでの予選だったので、Q2進出に期待を込めていましたが、コンディションの変化に対応しきれなかったというのが正直なところです。新体制で臨む初戦に加えて、ジョンウが初のスーパーGT参戦というともあり、決勝ではしっかりと経験値を積んで、次戦以降に繋げたいという思いがありました。それに応えるようにドライバーふたりともポイント圏内で争えるようなペースで走ってくれましたし、完走できたことで見えてきたものも多くあります。次戦の富士大会は3時間という長いレースなのでチャンスはあると思います。11号車「GAINER TANAX Z」との共有を含め、GAINERさんとともに対策を進めていきます。