2025年第6戦スポーツランドSUGO(宮城県)
ANEST IWATA Racingは、9月20日(土)から21日(日)にかけて宮城県のスポーツランドSUGOで開催された「2025 AUTOBACS SUPER GT Round 6 SUGO GT 300km RACE」のGT300クラスに参戦した。
9月20日(土)公式練習
鈴鹿での猛暑が嘘のように、菅生は涼しく、午前9時15分に始まったフリー走行時の気温は17度と、秋を感じさせる気候だった。昨夜から降っていた雨は止み、路面は徐々に乾きつつあり、水たまりはない状況だった。
フリー走行は、まずイゴールがウェットタイヤでコースイン。乾きかけの路面ではウェットタイヤとの相性が良く、1分24秒614をマークして6番手につける。7周目にピットインし、ドライバーを安田に交代。タイヤはそのままでコースに出るが、路面が乾き始めており、ウェットタイヤでは意味がないと判断し、2周計測してピットに戻った。
その後、路面が完全に乾くまで待機し、安田がドライタイヤの皮むきのためコースイン。1周で戻り、再びイゴールに交代。
この時点で路面は完全ドライ。イゴールはドライタイヤでアタックに入るが、アウトラップ後のウォームアップ1周を終えたところで赤旗。再開後、アタックを試み1分20秒497を記録したところでFCY(フルコースイエロー)。
FCY解除後、ドライバー交代。イゴールから「高速域でかなりアンダーステア」との報告を受け、リヤウイングのダウンフォースを減らす方向でセッティング変更し、安田がコースイン。しかし2周後に再びFCY。その後、安田はアタックを開始するが、計測1周を終えたところで再度赤旗。
安田は「クルマは滅茶苦茶アンダーステア」と話していた。
赤旗解除後はGT300占有時間。安田はコースインするが、アンダーステアが酷く、さらに左フロントタイヤの摩耗も進んでおり、これ以上のタイムアップは見込めないと判断し、ピットに戻ってセッション終了。
濡れた路面ではタイヤとの相性も良く、まずまずのパフォーマンスを見せたが、乾き始めると路面温度が低いこともあり、タイヤをうまく機能させられずアンダーステアに。とはいえ、クルマのバランス自体は悪くなかった。
フリー走行 24位 1分20秒497
予選Q1
雨は完全に上がり、路面はドライ。しかし気温は21度と低め。Q1はイゴールが担当。セッション開始直後にコースインし、アウトラップから丁寧に2周かけてタイヤを温め、アタック開始。4周目に1分18秒737をマーク。続く5周目もアタックするがタイム更新ならず、ピットへ。
結果は10位。Q2進出ラインの9位との差はわずか0.005秒という惜しい結果となった。
予選Q1 イゴール・フラガ B組10位 1分18秒737 Q2進出ならず
9月21日(日)
12時から始まったウォームアップ走行。開始直後、ピットロード出口でタイヤが外れた車があり赤旗。再開後、イゴールが中古タイヤでロングラン。「昨日よりタイヤの温まりは良い」(イゴール)。決勝を見据え、タイヤ摩耗を確認。10周走行後にピットインし、ドライバー交代とタイヤ交換のシミュレーションを実施。安田は1周走行したところでチェッカー。
ウォームアップ 22位 1分20秒491
決勝レース
13時45分スタート。気温22度、路面温度33度。スタートドライバーはイゴール。19番手からスタートし、1周目の混乱をうまく抜けて15位に浮上。その後も好ペースで、5周目に14位、16周目には12位まで順位を上げる。他車の接触やトラブルもあり、17周目にFCY、19周目に解除。この時点で11位。
「クルマの調子は良く、乗りやすくなってきた」(イゴール)。
最低周回数の24周を過ぎるとピットインする車が出始めるが、イゴールのペースは落ちず、チームはピットを引き延ばす作戦に。見かけ上の順位は上がり、35周目には3位だった。しかしこの頃からイゴールのタイムが落ち始め、39周目にピットイン。
ドライバー交代、燃料給油、タイヤ交換を実施。給油はサクセスウェイトによる給油リストリクターの影響で29秒と長め。作業を終え、安田が勢いよくピットを出るが、直後に無線で「タイヤが嵌ってない!」。右フロントのナットが締まっておらず、安田はピットロード出口付近で車を止めた。
レース後の検証による仮説では、「スピンドル(車軸)に一周ぐるりとアルミの擦れ跡が付いていたことから、スピンドルとホイールの間の0.2mmの隙間に異物が混入し、ホイールが正しくハブに密着していない状態で走行を開始してしまった可能性がある」とのこと。鈴鹿戦での飛来物によるラジエター損傷に続き、今回も非常に稀な確率でのトラブルとなってしまった。
決勝結果 リタイア(39周 タイヤ外れ)
松浦佑亮監督のコメント
「今回はトラックコンディションの変化が非常に大きく、とても厳しい状況でした。新しく舗装された路面も影響しているようでした。持ち込んだタイヤもあまり合っておらず、予選は非常に厳しい状況でした。そんな中でも決勝はドライバーも頑張り、ポイント圏内でのレースを見せてくれていたのですが、惜しいレースをトラブルで落としてしまい残念です。」
イゴール・フラガ選手のコメント
「今回は想定より気温がかなり低く、タイヤを発動させることが困難でした。FPが雨だったこともあり、セッティングすることも出来ず。予選では最善を尽くしましたが、惜しくもQ2に進出できませんでした。レースでは他のクルマもタイヤに苦戦しているようだったので、徐々にポジションアップすることが出来ました。ポイント獲得が見えていただけに残念です。」
安田裕信選手のコメント
「フリー走行でのウェットのフィーリングは悪くなかった、特に水の少ない時はパフォーマンスは良かったと思います。ただ、ドライでは僕らの選んだタイヤには気温が低すぎて、特に予選ではイゴールが完璧なアタックを決めたのにQ2に進出できませんでした。レースでは気温も上がった事でクルマの調子もよく、ポイントを取れそうだっただけに残念です。自分としては予選も決勝もほとんど走れず、計測ラップ0周だっただけに非常に悲しい週末となりました。」
」
