2025/08/20

2025年 第4戦 富士スピードウェイ(静岡県)

第3戦セパンを欠場したANEST IWATA Racingにとって、約3か月ぶりのレースとなる。今年2回目の富士でのスーパーGTは、通常のレースフォーマットとは異なり、土日で2戦のスプリントレース形式で開催された。ANEST IWATA Racingは、土曜日のレースをイゴール・フラガ、日曜日を安田裕信が担当することとした。

Race1公式練習 18位 1分38秒452

 

土曜日の公式練習は朝8時半からと通常よりも早いスタートだったが、気温はすでに32度と、真夏の富士らしいコンディションでレースが始まった。今回、RCF GT3は前回5月の富士とほぼ同じセットアップで臨み、変更点はブレーキパッドを新仕様にした程度。ブレーキング時のコントロールを重視した仕様である。

今回のレースでは全車サクセスウェイトが解除されており、前回の富士で40kgものウェイトに苦しんだだけに、今回はパフォーマンスに期待していた。しかし、走行開始直後からイゴールは、100Rなどの高速コーナーでのアンダーステアと、ヘアピンからの加速の悪さを訴えた。

7周目にピットインし、リヤウイングの角度を調整。高速コーナーでのアンダーステアは多少改善されたが、依然としてアンダーステア傾向が残ったため、フロント車高を下げる対応を行った。

最後の300占有時間でベストタイムを記録したものの、トップとの差は1秒半あり、満足できる状況ではなかった。

Race1公式予選 イゴール・フラガ 16位 1分38秒125

午前11時40分から、GT300クラスの公式予選(20分間)が開始された。イゴールは路面のコンディションが良くなるのを待ち、残り9分でコースイン。慎重に2周のウォームアップを行い、1分38秒125を記録。さらに翌周でのタイムアップを狙ったが、セクター1・2ではベストタイムを刻むも、最終セクターでタイヤのグリップが落ち、タイムアップには至らなかった。

Race1決勝結果 イゴール・フラガ 14位

土曜日のRace1決勝は、スタート前に雨雲が見られたが雨は降らず、15時22分にレースがスタート。イゴールはミスなくスタートを切り、順位を守って1コーナーを通過。しかし、混走の500クラスの車両がAコーナーでクラッシュし、1周目からセーフティカーが導入される荒れた展開となった。

6周目にレース再開。7周目に順位をひとつ落とすも、その後イゴールは力強い走りを見せて順位を上げていく。ペナルティを受けた車両もあり、18周目には14位に浮上。この頃、空からはポツリポツリと雨が落ち始めたが、強く降ることはなく、イゴールは激しいバトルの中で順位を守り切り、14位でチェッカーを受けて見事にポイントを獲得した。

高気温の影響で自然吸気エンジンのRCF GT3はストレートスピードが伸びず、厳しいレース展開を強いられたが、イゴールは見事なドライビングで後続の追撃をかわし、順位を守り切った。

8月3日(日曜日)

Race2公式練習結果 安田裕信 22位 1分38秒495

前日と同様、朝8時半から公式練習が開始。Race1は300・500クラス混走だったが、Race2はクラス別のレースとなる。走行開始後、安田はブレーキング時のフロントのピッチングを気にして、フロントサスペンションにパッカーを入れたり、リヤウイングを寝かせたりと微調整を試みたが、最終的には最初のセッティングが最も乗りやすいと判断し、すべて元に戻した。途中、FCYテストも含めて22周を走行。安田も前日のイゴール同様、エンジンのパンチ不足を嘆いていた。


Race2公式予選 安田裕信 21位 1分38秒793

予選は午前11時にスタート。安田は前日のイゴール同様、セッション前半はピットで待機し、路面が良くなる後半にアタックを開始。セッション残り11分でコースイン。2周のウォームアップ後にアタックを試みたが、後からコースインした車両の集団に囲まれてしまい、もう1周ウォームアップを行い、前車との間隔を十分に取って5周目にアタック。1分38秒793を記録した。

さらにタイムアップを狙ってアタックを続けたが、セクター1・2ではベストタイムを更新するも、最終セクター3でタイヤがグリップを失い、タイムアップには至らなかった。

Race2決勝結果 安田裕信 18位

午後2時に決勝レースがスタート。スタート直後、安田のすぐ前で2台が接触。それをうまく回避した安田は、大きく順位を上げ、1周目終了時点で16位と5台をかわした。しかし、依然としてエンジンのパンチ不足により、立ち上がりでペースの速い車両に交わされる展開に。それでも安田は苦しい中で善戦し、中団グループの混戦の中を戦い抜き、18位でチェッカーを受けた。

松浦佑亮レースディレクターのコメント

「猛暑の富士ではパッケージ的に苦戦を強いられることは覚悟してサーキット入りしましたが、想像以上に厳しいレースとなってしまいました。今回はスプリントレースということもあり、レース中のピット戦略を取ることもできず、純粋なスピード勝負となる中で、今のレクサスRCFに与えられたBOPは非常に厳しかったと言わざるを得ません。

そんな状況でもドライバー、エンジニア、メカニックはベストを尽くし、ドライバーポイント1点、チームポイント4点を持ち帰れたことはポジティブな要素だったと思います。このポイントがシーズン終盤には大きな意味を持つことになるでしょう。

次戦は鈴鹿大会。簡単ではありませんが、レクサスRCFとは比較的相性の良いサーキットなので、TOP10入りを目指して頑張っていきます。」


イゴール・フラガ選手のコメント

「久しぶりのスーパーGTのレースで、フォーマットも普段とは違うので楽しみにしていました。しかし、走り出しから立ち上がりの加速がまったくなく、これまでやってきた中でも一番辛かったです。車のセットアップやタイヤとの相性はまずまずだったのですが、それでも勝負権がまったくないというのは、僕自身受け入れがたかったです。その中でも何とか1ポイントを獲得できたのは、チーム一丸で頑張った結果だと思います。次の鈴鹿では、またトップ10の中で戦えるよう頑張ります。」


安田裕信選手のコメント

「土曜日はイゴールが担当し、BOPが厳しい中、マシンの限界以上の成績を収めてくれました。自分も頑張ろうと日曜日のレースに挑みましたが、スタートではうまくポジションアップできましたが、その順位をキープするのが精いっぱいで、苦しいレースになってしまいました。スピード、コーナーリングの両方とも良いところがなく、ドライビング的にも大変でした。次戦、鈴鹿はRCFとの相性が良いと聞いているので、予選から好位置でポイントが稼げるように頑張ります。」