2025/06/05

2025年 第2戦 富士スピードウェイ(静岡県)

ANEST IWATA Racingは、5月3日(土)から4日(日)にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催された「2025 AUTOBACS SUPER GT 第2戦 FUJI 3時間レース」のGT300クラスに参戦した。

第1戦・岡山で2位となったことにより、サクセスウェイトとBOPを合わせて約50kgのハンデを背負っての一戦となり、苦戦が予想される週末だった。

5月3日(土)公式練習

天候は晴れ、気温は19℃。安田選手がマシンに乗り込み、アウトラップで無線チェックを行ったが、ドライバーの声はクリアに届くものの、ピットからの音声がドライバーに届かないトラブルが発生。ピットに戻って無線機を確認後、10周を走行し、7周目に1分37秒387を記録。この時点で20番手だった。なお、ベストタイムの周ではセクター3で他車と接触し、タイムロスがあった。

安田選手は、ヘアピン立ち上がりからBコーナーまでの加速が鈍いと感じており、実際にセクター2のタイムも遅かった。2セット目のタイヤは構造が異なり、高速コーナーでは良好だったが、中・低速ではアンダーステアが発生し、RCFには適さないと判断。6周走行後にピットインし、イゴール選手に交代した。

イゴール選手は、岡山戦と同じ中古タイヤに交換してコースインしたが、1周目で赤旗中断。再開後に7周を走行し、23周目にピットイン。リアのトラクション不足とブレーキの不安定さを訴え、リアの車高を調整。27周目に再度ピットインし、車高調整によりブレーキング時の安定性は向上したが、Aコーナーでのアンダーステアが強まり、タイムが伸びなかった。

安田選手に再交代し、セットを戻してコースイン。2周後にFCYテストを実施。前回の岡山では速度が遅く、他車に離される問題があったため、岡田エンジニアがセット変更を行ったが、今回も速度は78〜79km/hと遅かった。300クラス占有走行は安田選手が担当したが、路面の影響かグリップが得られず、タイム更新には至らなかった。

公式予選

  • Q1(B組):イゴール・フラガ選手 8位 1分36秒557(Q2進出)
  • Q2:安田裕信選手 16位 1分36秒758

午後2時50分開始。気温18℃、日差しは強め。イゴール選手は4周目に1分36秒557を記録し、5周目にさらなるタイムアップを狙ったが、最終セクターでタイヤが滑り、記録更新はならず。それでもB組8位でQ1を突破。Q2では安田選手が5周目に1分36秒758を記録し、16位。岡山戦での2位入賞により課された40kgのサクセスウェイトが影響し、特にヘアピンからBコーナーへの加速に苦しんだ。

5月4日(日)決勝

決勝結果:11位

決勝日は晴天で、前日より気温が上昇。スタートドライバーはイゴール選手。3時間レースで2回のピットストップが義務付けられていた。戦略としては、イゴール選手が最初の2スティントを担当し、最後の1時間を安田選手が走行する予定。タイヤはテストで好感触だった硬めのドライタイヤを選択。

イゴール選手は16番手スタートから1周目で13位に浮上。その後も好ペースで順位を上げた。19周目にFCYが出され、数台がピットインしたが、チームはステイを選択。27周以降のピットインを予定していたため、燃料的にこの判断が妥当だった。

41周目に1回目のピットインを行い、給油とタイヤ交換を実施。ドライバーはイゴール選手のまま続行。2スティント目ではタイヤセッティングを変更したが、これが裏目に出て20周ほどでタイヤが滑り始めた。64周目に2回目のピットインを行い、給油・タイヤ交換・ドライバー交代を実施。この際、左フロントの交換に手間取り、5〜6秒のロスが発生。

後半を担当した安田選手は安定した走りで順位を上げ、ポイント圏内に浮上。しかし、イゴール選手が周回遅れの車両と接触したことにより、チームに5秒のタイムペナルティが科された。11位の安田選手と12位との差が約40秒あったため、順位には影響なし。安田選手は10位との差を一時7〜8秒まで詰めたが、惜しくも11位でチェッカー。今回もポイントを獲得し、シリーズランキングは3位を維持。

松浦佑亮監督のコメント

「11位という結果は決して満足できるものではありませんが、40kgのサクセスウェイトを積んでいたことを考えれば悪くはないと思います。今回は3時間という長丁場のレースだったため、持ち込めるタイヤのセット数も多く、夏以降を見据えたトライもできました。結果的には岡山から使用している信頼性のあるタイヤを選びましたが、それを再確認できたのは大きな収穫です。貴重なポイントも獲得でき、次戦につながる良い週末だったと思います。」

イゴール・オオムラ・フラガ選手のコメント

「個人的には、今回の週末で自分たちができることはやれたと思っています。クルマ的には40kgのサクセスウェイトがかなり厳しく、中速域での加速が鈍く、ブレーキング時の安定性も欠けていました。次戦までにそのあたりをセッティングで改善する必要があります。ピットストップでのタイムロスも大きかったと感じています。まだまだ改善の余地はあると感じました。」

安田裕信選手のコメント

「サクセスウェイトの影響か、フリー走行からスピードが出ませんでした。加速時のトルク不足を感じました。タイヤ自体は良かったのですが、車との相性か、セクター3でのグリップ不足を感じました。レース中、タイヤが減っても後半に燃料が軽くなったことでタイムが良くなったことを考えると、やはりウェイトの影響は大きかったと思います。レクサスにとって富士は得意なコースではないので、ポイントを取れたことは大きな収穫だったと思います。」